HOME][4日目の(3)

エサオマントッタベツ岳~カムイエクウチカウシ山/テント泊縦走
2014/ 7/25~29
(4日目の2 ~カムイエクウチカウシ山から八ノ沢カールまで)


 2014/ 7/28(月)の2 


1917峰からのカムイエクウチカウシ山

 一晩中風雨が強かった。それはテントの崩壊が考えられるほどだった。ただ、睡眠はよくとれた。午前4時20分、帯広八千代ユースホステルのオーナーさんに「風雨強いが収まれば春別岳まで移動する。コイカクシュサツナイ岳までの)予定を変更し八ノ沢を下るが、沢の増水があれば下山後の宿泊予定日を超えて停滞する。」とメールする。ユースホステルは夏の繁忙期を迎え、予定外の対応は困難となるからである。十勝帯広空港から道の駅なかさつないまで頼んだ幕別町の個人タクシーの運転手さんは何気なく「下山はヘリコプターですか。」と悪い冗談を言っていたが、このままの天候が続けばそんな話しが現実味を帯びる。

 ※ この日、風雨の中を移動したので、画像はありません。次の画像は、2010年8月にこのルートを歩いたYasuさんから拝借し、ご了解を得て使わさせていただきました。Yasusanの記録は「Yasuの山楽日記」でご覧ください。。
 また、このページのそのほかの画像は、カムイワッカ分岐~春別岳の間の尾根の状況を説明するため、2007年に老少年が写したものを掲載しました。


1917mを下ったハイマツ帯

 1917mにはテントスペースがひと張りある。まだ午前10時。先はまだまだ、まだまだ長い。しかし、朝方までの風雨も収まって天気も回復してきた。カッパも脱ぎ捨て汗だくで歩いてきた。1917mは風二吹きさらしになるところである。しばらく360度の展望を楽しみ汗が引くのを待つ。


カムイビランジ

 今日は、1730mのテント場かカムイエクウチカウシ山頂上のテント場まででいかなと思っていたが、計画どおりの日程で下りる場合は今日中に八ノ沢カールに着かなければならない。1917mからの下りの狭い急峻でハイマツに足をからめ捕られるような岩稜帯を通り抜けこのルートに2か所しかないカムイビランジがある岩場に着く。カムイビランジは、いつものよう岩のすき間に根を下ろしていたが、まだ蕾のままであった。これでこの岩場のカムイビランジを見るのは4回目となる。花の盛期は8月中旬であろう。


1732手前のコブを過ぎて

 ここからしばらくハイマツと戦いながら歩くとそのうち1732mのコルまで、概ねお花畑が広がるハイマツ帯の辺縁を歩くが、ハイマツの枝が伸びてきていることから踏み跡は探しようもなく、不本意ながら高山植物をビブラムソールという素材のゴツゴツとした靴底で踏み荒らしながら進まざるを得ない。こう言うのを矛盾というのだろう。ハイマツの枝を切らないで高山植物を踏むか、高山植物を踏まないでハイマツの枝を処理するか。しかし、現実的は延々とあるハイマツの辺縁にそって枝を処理するようなことはだれもできまい。なお、両者を保護するためにこの稜線は歩かないという意見には与しない。


1732mのテント場(マウスオンで天国のテント場へ)

 お花畑からいったん稜線のハイマツ帯に踏み跡が入っているような雰囲気だったので、誘導されるがままに進むとそこはしだいに酷い藪に遮られるようになった。我慢して進み1732mのテント場が見えるところからハイマツ帯を脱出してお花畑を歩いてテント場に着いた。このテント場は日本一美しいテント場(個人的思い込み)で、九ノ沢に下りれば水も得られる。今回、万一水を採りに行くときのために、Yasuさんが2011年に沢を下りた記録にアップされた画像を印刷し、その位置を特定するために持参した。

 その1732mのテント場をめざし1917mを下っているときに九ノ沢を見やるとブルーシートが見えていた。その様相からセスナかパイパー機の飛行機事故と感じた。そのようなニュースには接してはいなかったが、稜線から見る存在感は異様だった。下山後のニュースをまとめると次のようになる。動画もあり、3月の厳しい姿のカムイエクウチカウシ山が写されている。

 「2013年3月15日、女満別空港を離陸した2人乗りのモーターグライダーが、日高山脈カムイエクウチカウシ山付近の山中に墜落し、同18日航空自衛隊機が発見したが、2人の死亡が確認された。2013年、国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官2人は2013年7月2日、道警のヘリで現場入りし調査した。」


標高約1880mは踏み跡の左右にとてつもないお花畑が広がる

 1732mのテント場で暫し休憩する。テント場からは九ノ沢に下りる薄い踏み跡がある。上から眺めるとYasuさんが水を採った場所より上方に水の流れがあるような感じがした。それは、そのように感じたところの沢筋の石の色が濡れているように、他のところと色合いが違うからであった。1732mのテント場から再び濃い藪を漕いで標高を上げて行く。その先の顕著な岩場のピークを登って斜面を登ると1903mの分岐に着く。分岐から1903m方向に体を向けて右斜め前のハイマツの中にテントを張ることができるスペースがあるが、もうはや傍若無人のハイマツの枝の伸長により、ノコギリ持参者しかテントを張ることができない状態になっている。エサオオマントッタベツ岳のヒダカゲンゲはどれも花期を過ぎていたが、1903m分岐にはまだ花を咲かせているヒダカゲンゲが数株あった。

 
標高約1880mから八ノ沢カールが俯瞰できる テント0、ヒグマの数不明

 1903m(は稜線から離れている)の分岐から標高を下げると1730mコルのテント場に着く。ここも1732mコルのテント場に次ぐ好ましいテント場(2人用テント一張り限定)である。テント場からハイマツ帯を避けた踏み跡が十勝側の斜面に付いている。その踏み跡もいつしか尾根を乗越し日高側のハイマツ帯に突入するように誘導される。最初、そのハイマツもそれほどうるさくなく、標高約1880mの日高山脈中の稜線で一番規模が大きく花の数も多い「天国のお花畑」に導いてくれる。そこからは八ノ沢カールを見下ろすことができる。昨日、一昨日の大雨では、誰も上がってこられなかったのだろう。もう午後も遅い時間なのにテントは一つも張られていない。お花畑を抜けるとふたたび強固なハイマツ地獄がカムイエクウチカウシ山直下のテント場まで続く。


HOME][4日目の(3)